今年のトマト栽培は、どんな感じ?

小池 今年はトマト栽培が難しい年ですね。気温が高すぎちゃって。

 

武藤 暑すぎる?

 

小池 そうですね。一般的にトマトの生育適温は、25度が限界と言われていて。

 

武藤 25度が限界! 35度超える日もありましたよね、じゃあ今年は、限界突破しすぎているんですね。

 

小池 昔、久保産直会がたくさんトマトを栽培して、出荷していたときは、小諸も標高が高くて日射量も多くて雨も少なくて、路地で栽培するには、天然で最高の環境だったんです。30度を超える日が3日続くと受粉ができなくて、実にならないんですよね。今年は6月末に高温がつづいてダメだったんです。実にならなかった花は、こんな感じで全部落ちてるんですよね。

 

武藤 じゃあそれを見ながら、ちょっとずつ苗を植えるタイミングをずらしていったりするんですね。

 

小池 そうですね。

 

武藤 でもそれをトライ&エラーで、次に試せるのがまた来年っていう。

 

小池 毎年毎年、試せるのが面白いんですけどね。

 


久保産直会の出荷場

武藤 久保産直会の出荷場にやってきました。

 

小池 トマトのトラックが来て積んで、終わったらみんなで集まってだべって帰るんです。

 

武藤 これは何ですか?

 

小池 これはトマトを食べた方からのメッセージです。毎年2~3回に分けて来ますね。

 

武藤 市場とかに出しちゃうと、こうやって直接食べた人の声って届かないですよね。これだけのファンがいるってすごいですね。

 

小池 組合員さんに届く箱に産直会のメンバーの名前が書いてあって、箱に自分の印も押すので、誰のトマトが届くのかわかるんですよね。いただいたメッセージの中には「うちの家族は、久保産直会のトマトしか食べません」とか「久保産直会のトマトを食べに帰省します」とか。

 

武藤 今後の久保産直会は、どんなところを目指していきますか?

 

小池 とにかく今は生産量が追い付いていなくて、すごく求められている商品なのに、欲しい人に届けられていないんです。約50年の歴史がある久保産直会ですが、若手、作り手、後継者不足という課題を抱えています。興味を持っていただけるかたがいれば、小諸市の農林課でもいいですし、お問い合わせいただけたらと思います。一緒に生産してくれる仲間もしくは、手伝ってくれる人を募集しています。

 

武藤 ファンがたくさんいて、すでに販路もあって、加えて、とにかくおいしい。もし、この大玉トマトを食べてみたいという方がいれば、まずはこの畑にきて、久保産直会のみなさんと一緒にトマトを作って…販路を広げるためには、もっともっと仲間が必要ですね。そうすればもっと多くの方に届けられて、自分も食べられるようになっていくということですね。

 

小池 そうですね。

 

武藤 最後に、農業をやっていて楽しいと思う瞬間というかやりがいを感じる、よかったと思うときはありますか?

 

小池 1年1年、大きな失敗、小さな失敗もあるけどその経験を生かして、来年もっとこうしようって言ってまた次の年試して、それがうまくいったり、いかなかったり。その積み重ねですよね。気が付いたら昔できなかったことができるようになっていて、面積が増えたり、本数が増えたり毎年成長を感じられる。そこが面白いし、一生飽きないと思います。

 

武藤 いろんな農家さんにお話し聞きますけど、みなさん50年やってきていても同じ1年はないって言いますもんね。自然を相手にして試行錯誤して、自分なりの農業を作っていく。そこが農業の楽しいところですよね。

 

 

 

今回のオモシロ農家

久保産直会 小池 宏昌 さん

〒384-0807 山浦1272-2(出荷場)
✉chairman.kubo@gmail.com