「元気な土」とは
土壌の分析手法は3つあります。
化学性・・・pH、窒素、リン酸、カリ、ミネラル、腐食など
物理性・・・粒状、硬さ、水はけ、水持ちなど
生物性・・・土壌微生物の多様性、バランス、活性度など
化学性・物理性は、分析手法が確立されていて、一般的に普及していました。
しかし、生物性の分析は数値化が難しく、莫大な費用がかかるため、いままでほとんど調べることができていませんでした。
小諸市では、迅速で安価な生物性分析の技術をもつDGCテクノロジー社と連携し、
特許技術「土壌微生物多様性・活性値」に着目した「元気な土づくり」に取り組んでいます。
過剰な土壌消毒や、化学肥料に頼っていると、土壌微生物の多様性が失われます。
多様性が失われ、バランスが崩れた土壌は、植物の病害や生育不良を招きます。
土壌微生物の多様性を保ち、「元気な土づくり」をすることは、良好な生育環境をつくる上で大切なことなのです。
積み重ねてきた「元気な土づくり」
小諸の農家は、口を揃えて「土は財産だ」といいます。
「作物を採るということは、土の栄養をいただいているということ。いただいた分の栄養を返さないと。」
「海のものと山のものを混ぜて土に還すといい。というのが代々の教え。」
「肥料を与えるだけでなく、抜くことも必要。過剰な栄養は作物にとってよくない。」
小諸の農家と話すと、それぞれの「元気な土づくり」へのこだわりが垣間見えます。
AGRI SHIFTプロジェクトでは、市内の圃場から300検体以上、土壌の健康診断(生物性の土壌分析)を行い、土づくりのこだわりを可視化しています。
先祖代々、脈々と続けてきた「元気な土づくり」のこだわりは、「土壌微生物多様性・活性値」が全国的にみても高い地域であるという専門家からの評価につながっています。
元気な農産物
小諸の元気な土から生まれた元気な農産物は、食べる人を元気にします。
何でも食べる子どもが元気なように、多様な人が集う社会が良いように、土の中の世界も、多様で活発であれば、元気な農産物が育まれます。
私たちのからだの中も、腸内細菌など、体内の微生物の多様性バランスが保たれることで健康が維持されています。
土の中の小さな命にまで気を配り、健やかに育った元気な農産物はきっと、食べた人を元気にします。
小諸が目指す新しい農業
小諸は、有機農業や無農薬栽培、慣行栽培などの特定の農法にこだわらない、持続可能な新しい農業を目指します。
・どんな農法でも、土の中の小さな命も大切にする「元気な土づくり」をすること。
・年に一度、土壌の健康診断で「土の元気さ」を見える化すること。
・その結果に基づいて、目標値を定めて改善を重ねること。
このサイクルこそが、小諸基準です。
新型コロナウイルスが人類を苦しめているいま、ワクチンが人々の希望となっています。
農業の世界も、どうしようもないくらいの病気が蔓延することもあります。
そんなときは、ワクチン(農薬)に頼ることも、時には有効だと考えています。
農薬の使用量や資材の種類にこだわりすぎるのではなく、食べ物のスタート地点の「土」が元気であるということを大切にしていれば、農産物は元気に健やかに育つのではないか。
そのために、小諸の農家の土へのこだわりを可視化し、さらに良いサイクルをつくる。
これが、小諸が目指す新しい農業です。
※小諸市では、年に1度土壌の健康診断(生物性の土壌分析)をする農家さんを募集しています。
費用については、1検体 約3万円がかかりますが、当面の間は市が負担する予定です。
年ごとの募集の詳細が決まり次第、当サイトや小諸市公式HP、おいしいこもろTwitterなどでお知らせいたします。
また、土壌の健康診断の結果を踏まえた情報交換の場(agri cafe)も開催していますので、ぜひご参加ください。
過去の募集詳細 ※内容は年度ごとに変更になる場合があります。