ワインと農に魅せられ、自然に囲まれた小諸の地で、
ブドウづくり、ワインづくりへ情熱を注ぐ生産者がいます。
その想いを、自身もワインづくりに取り組む
小諸市農ライフアンバサダーの武藤千春がお届けします。
#03 Anne winery
―城下町の片隅の小さなワイナリー
武藤:本日はよろしくお願いします。
松村:よろしくお願いします。
武藤:このワイナリー、とっても素敵な空間ですね。宿泊もできるんですよね。
松村:そうですね。これから暑くなってきてシーズンに入ると忙しくなります。
武藤:どうして軽井沢が拠点なのに、小諸にワイナリーを建てたんですか?
松村:畑と近いところがよかったからです。
畑に隣接したところも考えたのですが、城下町フェスタという街歩きをするイベントで古民家をリノベーションしたらいいなって
思ったんです。だれも振り向かないような古い家だったんですが、道路に面しているし、駅からも徒歩5分と飲む人が来やすい場所
で魅力を感じました。
武藤:街歩きしながら試飲したりワイン買ったりできるようなお店が周辺にもあればいいですね。
―りんご畑との出会い
武藤:ワインのほかにもシードルも作っていらっしゃいますよね。どんなきっかけで作ることになったんですか。
松村:糠地でブドウの畑を探していた時に、後継者がいなくて伐採されてしまうりんご畑と出会いました。
その話を聞いて、じゃあそのまま借りますっていう話をして借りたのがシードルづくりのきっかけです。
最初はシードルを作るなんて考えてもなかったのですが、シードルも好きだったので、、
成木のまま畑を借りたので、2015年にはりんごを収穫しその翌年から”アンシードル”という名前で軽井沢で販売を開始しました。
シードルの需要も高くなって、ワイン用のブドウも収穫できるようになってのでワイナリーを建てました。
武藤:ワインやシードルの販路はどういったところですか?
松村:ワイナリーのショップやネット販売、軽井沢の酒屋やレストランに卸しています。
武藤:軽井沢が中心なんですね。お客様の反応とかはどうですか?
松村:もともと軽井沢でシードルを営業していたので、今もそのまま軽井沢でやっています。
シードルは気軽にお手頃価格で扱いやすいみたいです。ビールじゃないけど、ワインよりも気軽な感じでって。
武藤:アンワイナリーの名前の由来って何ですか?
松村:シードルが一番最初にできて、ネーミングを考えているときに、りんごって赤毛のアンのイメージがあったんです。
アンシードルという名前で販売していたら、”アン”が定着していて、そのままアンワイナリーと名付けました。
武藤:ボトルのラベルデザインも可愛らしくて、とっても素敵ですよね。より”アン”のイメージが湧いてきます。
―シードルとは
松村:妹がフランスにいて、シードルもよく飲みます。
シードルに対する印象がフランスでは全然別物なんです。
産地ではガレットと一緒に飲むもので、普段は飲みません。今は、若い方を中心に飲まれているようです。
たまたま原料がたくさんあるから、一緒に作っているかたも多いと思います。
ただ、どういうシーンで飲まれるのか発展途上で作り手も模索中です。
販売するほうも、シードルはシーンが決まってないから難しいと思います。
シードルの”定番”が決まれば、日本でももう少し広がると思います。
武藤:どんなシーンで飲んで欲しいですか?
松村:アンシードルの原料にりんごはそのまま食べてもおいしい品種を使っています。
海外のりんごの品種と違って、お料理に合わせやすいんです。辛口で酸味もあってお寿司にも合います。
卸先のレストランには中華もあるし、もちろんイタリアンもあります。日本料理にはすごく合わせやすいです。
だからってお寿司にはシードルが定番にはなりませんね。
女性だと泡が好きなかたも多いし、暑い日にぴったりです。
アルコール度数も7%でワインよりも低いので暑い夏のお昼に飲んで欲しいです。