ワインと農に魅せられ、自然に囲まれた小諸の地で、
ブドウづくり、ワインづくりへ情熱を注ぐ生産者がいます。
その想いを、自身もワインづくりに取り組む
小諸市農ライフアンバサダーの武藤千春がお届けします。
＃07 nine nine wine
ー“ブドウはワインに生まれ変わる”
白(つくも)：ワイン用ブドウを始めようって思ったのは、ヴィラデストワイナリーでコーヒーを飲んでいた時。
ブドウってワインに生まれ変わるんだよって言われたんです。当たり前のことなんだけど、衝撃を受けました。
じゃあ植えちゃおうかって350本植えました。
武藤：すごい。それで植えちゃったんだ。
白 ：もともと、ここの畑は桃畑だったんです。
武藤：へー。確かに、ここの三岡地区って桃が有名ですよね。
でも仕事しながらってことですよね。ブドウの生産者さんって結構仕事を辞めてがっつりっていう方が多いじゃないですか。
仕事をやりながらやっちゃおうかって感じ？
白 ：自分でつくったブドウをワインにして、自分たちで飲む。売るっていう感覚は全くなかったんですよ。
洋子：一昨年までは、ブドウ生産者だったんです。
自分たちで作ったブドウで出来たワインを買ってきて、自分たちだけで飲んで、後は差し上げていました。
でも、飲んだ皆さんから、美味しいから売ったほうがいいよって言ってもらって。
じゃあやろうかって。
武藤：じゃあ入り口は趣味みたいな感じだったんですか？
白 ：趣味っていうか、自分たちで作ったブドウを自分たちで飲めるっていうのは、楽しみっていうか。
育てなきゃいけないし。
ブドウがワインに生まれ変わるっていうのも心に残っていて。
洋子：桃だと、仕事の合間の作業だと収穫が追い付かなくて、全部実が落ちちゃっていたんです。
もったいないよねって思っていて。かと言って仕事を辞めるわけにはいかないから、違うものを植えようって植えたんです。
ワインなら手がかからないかなぁーって思っていたけど、とんでもないですね。実際かかってます（笑）
武藤：作業的には手がかかってるけど、仕事の合間に2人でやっていらっしゃるんですか？
白 ：作業は主に週末にやってます。
洋子：コロナで仕事が少なくなって２年前から本格的にやり始めたんです。
今までは指示されるままにやってたんです。なんでこの作業をするのかもわからずに。
でも、やりだしたら奥が深いなって思って。
これは面白いなって。もっと早くきちんとやればよかったな（笑）
これからはいいブドウを作っておいしいワインが作りたいです。これが一番の目標。
やっぱりおいしいワインを作るにはブドウの勉強しなきゃって思ってます。
ー地元の食材と地元のワインのマリアージュ
白 ：今はメルローが550本。シャルドネが450本です。
武藤：ブドウづくりはどうやって勉強したんですか？
白：ヴィラデストワイナリーのスタッフが畑にきて、教えてもらいました。
洋子：ワインって食事と合わせて、「今日はこのワインを飲もうかな」とか言うじゃないですか。
やはり地元の食材にあった地元のワインをっていうのが一番いいと思うんですよね。
小諸市がワインの街になっていくためには、地元の食材と合体して、どっちもおいしいがベスト。
マリアージュっていうじゃないですか。フランス語で結婚っていう意味だと思うんですけど。
小諸の食材と小諸のワインで盛り上がっていったらいいなって思っています。
小諸市は少しずつ活性化してきて、50周年も迎えてわくわくしてきた中で、これからも盛り上げたいです。
白 ：ワインは食中酒。食事と会話の中で飲むんです。
日本とはちょっと違う文化なのでたまにはゆっくり２時間くらい会話をしながら食事を楽しむ。
時間が経つとワインの味が変わってくるんですよね。その変化を楽しむのもいいんですよ。
洋子：ワインってコミュニケーションが取れるお酒なんですよね。
20年前にブドウを植えたんですけど、ここまで小諸市でワインがもりあがるなんて当時は思いもしなかったですね。
武藤：植えた時も思わないですよね。
まわりの変化もあって、ワイン出すかってなったんですか？
洋子：みなさんからのオファーが多かった。「売ってよ」って。
余談ですが、ナインナインって、九十九なんですよ。つくもって読むんですよね。
名前が”白”なんですけど、百から一を引いて、九十九。だから９月１９日にリリースしたんです。
武藤：もうすぐ一年ですね。
白 ：これから私たちもどうなっていくかわからないですが、ブドウを作ることを二人のライフワークにして。
小諸市のワインを全国区にしたいです。
| nine nine wine
荻原 白（つくも） さん 洋子 さん 小諸市大字市 9ninewine@gmail.com |