小諸オモシロ農家

10人いれば10通りの農とのかかわり方があります。

小諸市農ライフアンバサダーの武藤千春が、この地で農を営む

オモシロ農家の生き生きとした活力溢れる農ライフをお届け。

 

今回のオモシロ農家 #04 中澤 和貴  さん

 

-「ナカザワ」は、どんな米農家?

 

中沢 僕は米農家を始めてから12年ぐらいですね。家族代々、米農家です。米農家を継ごうと思ったのは、手伝いを小さい頃からしていて、自分が大きくなって親の背中を見ながら一緒につくっていく中で、「つくる喜び」を覚えたからですかね。そこから継ごうかなと思って、やり始めました。

武藤 いま色々な方がいらっしゃいますけど、小さい頃から農業の手伝いをやらされてきたから「農家嫌だ」っていう人もいるじゃないですか。そんな中でも「お米づくり楽しいな」と感じられてたんですか?

 

中沢 そうですね。身体を動かすことが好きなんで、多分そういうこともいいのかなと思っていました。



武藤 12年ぐらい前に始められて、職業として実際に農家になってみてどうですか?

 

中沢 やっぱり自分の作った米を「おいしいおいしい」って、食べてくれるのが一番嬉しいですよね。

 

武藤 お米の品種を多くつくられていると思うのですが、それぞれの違いを楽しんだり、種類が多いゆえの面白さみたいなものがあったりしますか?

 

中沢 そうですね。やっぱり、品種によって味や炊き方とかも変わってくるので、面白いですよね。

 

米づくりのこだわりとは?-

 

武藤 「こんな風にお米つくってます」みたいな、こだわりはありますか?

 

中沢 一番こだわってるのやっぱ「適期刈り取り」ですかね。結局、稲刈りの時期をちゃんと見極めていないと、刈り遅れてしまう。そうなると食味がどんどん落ちていっちゃうので、青くても刈っていくぐらいが食味は一番いいので、それを逃さないように順番に刈っていってます。

 

武藤 なるほど。あの広い田んぼの中で、どうやってそれを判断していくんですか?

 

中沢 結局、籾を見て下の部分三分の一まで青いか青くないかぐらいの時に、刈っちゃうんですよね。

 

武藤 へえー。黄色くなってから刈るのかなと、思ってたんですけど。

中沢 そうすると、どんどん刈り遅れて食味が悪くなっちゃうんですよ。味とか食感とか色々。パサついてくるし、味もどんどん落ちていっちゃうんです。

 

武藤 そういう部分って、どういう風に学んでいたんですか?

 

中沢 実際に畑に出て、父にそういうことを教わりました。「これぐらいが刈り取りだぞ」みたいなのを見て、覚えたって感じですよね。

 

武藤 確かにそういうのって、ちゃんとしたマニュアルがあるわけでもないし、しかも50年農業やってたって同じ一年があるわけじゃないので、毎年全然違いますよね。

 

中沢 そうですね。そこの見極めをちゃんとして、刈っていくようにはしてますね。

 

武藤 (商品を見て)これは何の種類のお米ですか?

 

中沢 こしひかりとミルキークイーンというのをブレンドしています。

 

武藤 「このバランス、この組み合わせが一番美味いんだ」っていうのは、自分で食べて考えるんですか?

 

中沢 そうですね。コシヒカリに三分の一ミルキークインを混ぜるのが、一番おいしいなという答えに辿り着きまして…。

武藤 じゃあ、これがこだわりのブレンドと割合なんですね。けれど、毎年ちょっとずつ変わってきますよね?

 

中沢 違ってきます。やっぱり一番は天候。これに左右されるんですが、そこのばらつきをなくすように努力して栽培するようにはしてるので、先ほど説明した刈り取るタイミングをちゃんと見極めること。あとは暑ければ水。枯れとか様々な障害を受けないように、工夫して栽培してますね。

 

武藤 今年はどんな感じになりますかね? あったかいですもんね。

 

中沢 この辺はまだ標高が高いから朝晩は寒いので、それで味がよくなるんですよ。ずっと暑いとあまり美味しいお米ができないですけど。やっぱり寒さに会えば、甘みも乗ってくるし美味しいお米になりますね。